Nスペ「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」の感想

太平洋戦争開戦から70周年となった2011年に放送されたNHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」。恥ずかしながら放送当時にこの番組の存在を知らず、今になって見たいと思ったが、DVDはとても高価なのでネット配信で視聴した。NHKは過去の番組を「NHKオンデマンド」というサービスで有料配信しており、ひと月972円で膨大な数の番組をいくらでも見られる(^_^) さっそくNHKオンデマンドに加入して、このNスペの全5作品を視聴することが出来たので、その感想などを書く。

「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」はいろんな角度から、戦前の日本人が無謀な太平洋戦争に突入するまでを当事者の証言をふんだんに盛り込んで検証した番組。第1回が「外交敗戦」,第2回は「陸軍暴走」,第3回は「メディアと民衆」,第4回は「リーダーたちの迷走」、そして戦中編の「戦線拡大の悲劇」の5作品で構成されている。どの回の内容も、今まである程度は知っていたことでも、現実として突きつけられる事実の重さに衝撃を受けた。外交の回では、国連脱退後でも"反共同盟"を掲げて欧州と同盟し、何とかして戦争を避けようとした外交官達に感銘。陸軍の回では、旧体制を改革したエリート達が、中国戦線を拡大して後に引けない状況に陥るという、状況に追い込まれた理由と背景を知ることが出来た。リーダーたちの迷走の回では、当時の日本の政治が機能不全になっていたことを改めて認識し、誰も責任を取りたがらない無責任体質が、国民を不幸にしたことに憤りを感じた。戦後の戦線拡大の回においては、陸軍と海軍の権益争いがその主因だったことを知り、何と情けない連中が戦争を指揮していたのか憤慨。
当時の官僚,政治家,軍人のみんなが、国益よりも目の前の省益,軍益を無責任に優先させたことにより、日米開戦やむなしと自ら追い込まれた状況がよく分かった。

そして私が最も気になったが、第3回として放送されたメディアが果たした役割。当時の政府(近衛内閣)は発足時から、新聞,ラジオに対して国益に叶った報道をするように要請し、それをメディア側は了承した。 柳条湖事件をきっかけに満州事変が勃発すると、それを報じる新聞の売り上げは大きく伸び、さらに戦線が拡大するにつれて新聞が売れまくった。だから、新聞は戦争を煽る報道を行うようになり、それによって国民は大きく熱狂した。熱狂した世論は歯止めを知らず、ついにアメリカとの戦争を早期に行うように要求するようになる・・・

冷静に考えればアメリカと戦争しても勝ち目は全く無く、政府も陸海軍の誰も望んでいない戦争に日本が突入した一因には、戦争を望む世論の大きさがあったことは否定できない。そして、その最大の理由は事実を伝えず、軍の意向に沿った報道を繰り返したメディアにある。
この状況は現在にとても良く似ていると感じるのは、私だけじゃないはず。

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