批判無き"消費増税延期"報道

安倍首相は一昨年の11月18日の会見で、こう発言した。(官邸掲載の発言録から引用)
「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。3年間、3本の矢をさらに前に進めることにより、必ずやその経済状況をつくり出すことができる。」
それなのに、最近は首相が"再び延期することはない"と断言した"延期"に関する報道がやたらと目立つ。読売新聞は一面で内閣が"延期を検討"と報じたくらいだ。でも、それらの報道には過去の首相の発言が引用されることなく、もちろん批判的な意見も皆無・・・

最近の報道は、首相が選挙のために増税を先送りするのだとか、増税を先送りして衆参同時選挙を仕掛けるのだといった憶測記事で溢れている。また、先日ノーベル経済学者が日本で「消費税を増税するタイミングでない」と発言したことも大きく取り上げて、まるで増税延期のお墨付きを得たかのよう。
(ちなみに同学者がTPPに反対したとか、教育や若者への支出を増やせと言ったことはほとんど報じられていない)

多くの国民は消費増税は来年より後の方が嬉しいし、私も全く同感。しかし、それを餌に政権への支持を集めようという姿勢には怒りを感じる。首相が国民の前で"延期なし"と明言したのだから、そんな議論があることが報じられたら、すぐに否定して議論を封鎖するのが現政権の役割だろう。それなのに政府内部の"先送り論"や、政権の思惑を深読みした報道が、批判無しに繰り返し報じられることに強い不満を感じる。
もし、本当に先送りが現実味を帯びているのであれば、それは即ち首相が全国民に"嘘をついた"ことになるので、報じるときはそれに言及すべき。そして、もし首相が増税先送りを決断するのなら、それは嘘をついた国民への謝罪が伴うことだと主張すべきだろう。

多くのメディアは消費増税の先送りを、政権の意のままに好意的に報じて、それを喜ぶ人たちの意見をてんこ盛りで紹介するだろう。で、増税先送りを知らせる会見で首相は「日本経済はアベノミクスで好調だが、周囲を取り巻く情勢、特に中国経済の失速の影響により国内経済悪化の懸念がある。そこで国民の生活水準を守るために増税先送りを決断した!」と言うに違いない。それによって、また支持率が上がって、夏の選挙となるのだろうか?
それだけの理由で、与党に投票する有権者はもう少ないはずだと、私は思いたい。

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